Javaで開発されたアプリやシステムの事例集!今後の需要と将来性について

Javaで開発されたアプリやシステムの事例集!今後の需要と将来性について

以前、こちらの記事でJavaが今もニーズの高いプログラミング言語だということに触れました。今回は、Javaを用いて開発されたシステムやアプリの事例を取り上げてみましょう。具体的な開発事例をできるだけ多く取り上げることによって、Javaの需要と将来性についてお伝えしていきます。では、早速、Javaを使って開発されたシステムやアプリの事例をご紹介していきましょう。

Android OS上で動作するアプリの開発事例

Javaは、Android OS上で動作するアプリ開発に多用されるプログラミング言語です。Android OSはGoogle社が開発したもので、タブレットやスマートフォン、スマートウォッチなどのデバイスに搭載されています。Apple社が開発したiOSと異なり、オープンソースというのが大きな特徴です。

スマートフォンの場合、日本国内ではiPhoneのシェアが高いものの、海外に目を向けるとAndroidのほうが過半以上のシェアを占めているという国も珍しくありません。国内のモバイル端末の普及率の高さやモバイル向けアプリ市場の伸びなどを考えると、Androidアプリ開発は、まだ成長すると考えられます。

Androidアプリの開発事例を見てみましょう。Androidアプリの開発にはJavaが使われていることが多いので、開発事例というよりも人気アプリのご紹介となりそうです。Kotlinと比較されることも増えているようですが、これまでの実績があることからJavaの信頼性は高いといっていいでしょう。

ゲーム

  • モンスターストライク(MIXI)933.19億円
  • Fate Grand/Order(Cygames)894.18億円
  • ウマ娘 プリティーダービー(アニプレックス)625.39億円
  • パズル&ドラゴンズ(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)422.03億円
  • 原神(HoYoverse)378.25億円

上記の5タイトルは、ゲームカテゴリーで2022年の国内年間売上ランキングTOP5となっています。

非ゲーム

  • ピッコマ(Kakao piccoma)65億円
  • LINEマンガ(LINE Digital Fronteer)48億円
  • YouTube(Google)36億円
  • TikTok(Tik Tok PTE)21億円
  • LINEミュージック(LINE MUSIC)17億円

こちらは、非ゲームカテゴリーでの国内月間売上ランキング です。スマホアプリは、ゲームか非ゲームかという分類になっているほど、ゲームの売上が高いことがおわかりいただけるでしょう。なお、Forbesによると、ピッコマは世界のアプリランキングでトップ10入りしているそうです。

ビジネスカテゴリー

  • Google One(Google)10億円
  • 日本経済新聞 電子版【公式】(日本経済新聞社)3億1000万円
  • ウェザーニュース 天気・雨雲レーダー・台風の天気予報アプリ(Weathernews)2億円
  • Gmail(Google)1億7000万円
  • Dropbox(Dropbox)1億5000万円

アプリランキングの上位がほぼゲームやエンタメ系のアプリで占められている中で、ビジネス系アプリも奮闘しています。トップと4位にGoogleのアプリがラインクイン、2位は日経新聞で、天気予報、フリーメール、クラウドストレージと続きます。売上はいずれも億超えです。

余談ですが、Javaで開発されたゲームとしてあまりにも有名な「Minecraft」が最近話題になりました。累計売上は3億本を突破し、YouTube上の関連動画の再生回数が1兆回超、関連コンテンツのダウンロード回数も10億回を超え、3億5000万ドル(1ドル150円換算で525億円)を上回る収入をクリエイターにもたらしたとされています。

Webアプリケーション・サービスの開発事例

Javaは、Webアプリの開発にもよく用いられています。身近なところから大規模なところまで、どのようなものが開発されているのか見てみましょう。

事例①国際的ECモール「Amazon」と「AWS」

Amazonは一般的に、国際的なECモールとして知られています。世界最大級のECモールといっても過言ではないでしょう。Amazonでの販売事業はもちろんのこと、同社における事業の柱のひとつになっているといわれているのがAWS(Amazon Web Service)です。

仮想サーバーやデータベース、ストレージ、セキュリティ、データ分析ツールなど、さまざまなWebサービスを提供しています。AWSの導入事例として公式サイトに挙げられているのは、BMWグループやコカ・コーラ、Epic Games、Netflixなどの名だたる企業です。

日本国内に目を向けても、任天堂やKOMATSU、JR東日本、イオン、東京海上日動火災保険、浜松市など、導入事例は枚挙に暇がありません。

そのAWSが開発者向けにサポートしているプログラミング言語の中に、Javaがあります。ほかにもC++やPHP、Pythonなど、全部で10種類がありますが、専用のサポートページが設けられているのはJavaを含む4種類の言語となっています。

AWS
https://aws.amazon.com/jp/

事例②地理情報システム「JMARS」

JMARS(Java Mission-Planning and Analysis for Remote Sending)とは、Javaで開発された地理空間情報システムです。開発したのは、米アリゾナ州立大学にあるMars Space Flight Facilityの研究者だといわれています。

開発目的は、NASAのオービター(軌道船のこと。惑星や衛星などの軌道を周回する宇宙船)の打ち上げ計画立案や立案に必要となるデータ分析ツールを提供するためです。もともとは火星を中心に利用されていましたが、その後地球や月、金星、木星、水星などのデータを取り扱うようになりました。

惑星の地形プロファイルの作成や地表温度の取得、オービターのフットプリント(電波が届く範囲のこと)のプロット、画像のレンダリングなどが可能とされています。科学者や測定チームのメンバーだけでなく、オープンソースで広く一般に公開されています。

JMARS
https://jmars.mars.asu.edu/

まだあるJavaで開発されたWebアプリケーション・サービス

ここでは、まだまだあるJavaの開発事例を取り上げてみましょう。まずは、有名どころのWebサービスをご紹介します。

  • Yahoo!
  • ゼクシィ、じゃらん、SUUMOなど
  • AbemaTV

次に、開発者向けのものをご紹介しましょう。

  • Hadoop
  • HBase
  • Elasticsearch(検索基盤)

エンジニアの方の中には、上記のプロダクトをお使いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

刷新を迫られる大規模な業務システムとJava

業務システムとは、特定の業務を遂行することを目的に開発されたシステムを指します。例えば、販売管理システムや在庫管理システム、品質管理システム、経理システム、給与計算システムなどです。

クラウドやDXの流れによって、業務システムの中でも特にメインフレームで構築されたシステムは、刷新を迫られています。そこで、ここでは、国内のメインフレームの状況に注目し、移行問題についての事例を取り上げることにしましょう。

事例①大手メーカーなどの基幹システム

後述の全銀システムと同様に、近い将来、大手メーカーの基幹システムも刷新を迫られます。その理由は、富士通がメインフレームの生産とサポートを終了すると発表したからです。生産は2030年、サポートは2035年までと期限が明確になりました。発表されたのは2022年2月ですから、メインフレームユーザーに与えられた猶予は約10年ということになります。

メインフレームとは、1960年代から導入が始まった大型汎用コンピューターのことで、メーカー独自のハードとソフトから構成されていることが大きな特徴です。メンテナンスできるのがメーカーしかないことから、近年のDXという文脈の中ではレガシーシステムと呼ばれ、コストの高止まりやシステムの硬直化、人材の高齢化といった課題が指摘されています。

オープン化に向けて、注目されているのがJavaやLinuxなど使った新しいシステムの開発やクラウド化です。しかし、ひとつの時代を担ってきたシステムを刷新するというのは、そう簡単ではないでしょう。業務の見直しや新しいビジネスの模索(=DX)とともに、最適解を出すしかないのかもしれません。

ダイヤモンドオンラインによると、メインフレームの市場は「約20年で10分の1」にまで低減したとされています。富士通の撤退は予測されていたものの、実際に発表されて業界に激震が走ったと報じています。

事例②銀行の送金システム「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」

我々が日頃お世話になっている銀行振込は、全国銀行データ通信システム(以下、全銀システム)によって支えられています。銀行間の振り込みが滞りなくできるのは、日本の銀行のほとんどが加盟しているといわれる全銀システムがあるからです。

1973年4月に始まった全銀システムは、取引件数や規模、セキュリティ向上のため、これまでに何度も刷新を重ねてきました。現在稼働しているのは第7世代です。この3月、2027年から稼働する予定の第8世代について、全国銀行資金決済ネットワーク(以下、全銀ネット)から概要の発表があったことをご存じの方も少なからずいらっしゃるでしょう。

COBOLに代わって、Javaが第8世代の開発に使用される予定です。日本の銀行間取引を半世紀以上も支えてきたシステムが、いよいよオープン化される予定ということで、Javaエンジニアの需要が高まることは想像に難くありません。

Javaの特徴とできること

Javaがどのような特徴を持つプログラミング言語なのかについて、再度確認しておきましょう。また、数十年にわたって利用され続けている理由にも、今一度触れておきます。

Javaの特徴

  • OSに依存しない
  • オブジェクト指向
  • 汎用性が高い
  • サーバーサイドの開発に強い
  • ライブラリやAPIが充実している

Javaが使われている開発領域

  • 業務システム
  • Webアプリやサービス
  • デスクトップアプリ
  • Androidスマホアプリ
  • ゲーム
  • 組込みシステム
  • IoTやAI など

Javaは開発された時代が1990年代と比較的古いことから、日本でのインターネット黎明期と重なってWebサービスや大規模な業務システム開発に使われてきました。

業務システムはクラウド型に移行しつつありますが、近年では、Androidアプリやゲーム、IoTなどもJavaを使って開発されています。数多くの開発に使われている汎用性の高いプログラミング言語です。

Javaよりもシンプルなコーディングで開発できるプログラミング言語や近年のニーズに合わせて需要が伸びているものもあります。長い目で見れば、Javaは少しずつその役割を終えていく方向に向かっているのかもしれません。

しかし、これまでの実績を考えると、Javaがそう簡単に姿を消すとは考えにくいといえます。ほかのプログラミング言語に完全に移行するには、やはり相応の時間を要するものです。その点からも、今後しばらくはJavaの需要が急落することはないと考えます。

まとめ

ここまでご紹介してきたとおり、Javaはさまざまなシステムやアプリ開発に使用されているプログラミング言語です。プログラミング言語にも、流行り廃りがありますが、その中でもJavaは、C系言語と並び、長期間にわたってトップ5入りし続けていることが特徴です。 大規模な基幹システムに数多く採用されている実績に加えて、Androidのアプリ開発やWebアプリ・サービス開発に使われていることは、ここに挙げた事例でおわかりいただけたことでしょう。Javaは、今後も安定した需要が見込めるプログラミング言語だといっても過言ではありません。

この記事を書いた人

吉野竜司|Ryuzi Yoshino株式会社アイクラウド 代表取締役CEO

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